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前未来的語り部

懐かしい現在

ティーちゃん 序章

ティーちゃんは飛んだ。彼のために飛んだのだ。

大きく助走をつけ精一杯ジャンプし、飛距離を少しでも稼ごうと細い手足を広げ、風の強さを読み、空中を舞った。

しばらくしてから、適切だと思われるタイミングで今度は四肢を折り畳む。ティーちゃんは滑らかに落下していく。

まるでホールインワンをノーバウンドで達成するときのゴルフボールのように、カップに向ってティーちゃんの身体はまっすぐ吸い込まれて行く。

もしティーちゃんがそのままカップに入れば、ティーちゃんの汗は湯船に溶ける入浴剤のごとく、カップの中の熱湯を美味しいお茶に彩ってくれるはずだ。カップは目の前に迫る。

(続く)

ティーちゃん

ティーちゃん

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