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前未来的語り部

懐かしい現在

人生は積み重ねではない。音楽だ

人生は積み重ねではない。音楽だ。

音楽を聴くようにその瞬間を楽しみ、空気の揺れや流れに身を預ければいい。一生懸命知識や経験、何か小さなゴールを積み重ねることも大切だが、そのような結果にばかり目をとらわれていては、せっかく今鳴り響いている豊かな音楽が聞こえなくなってしまう。それは大変もったいないことである。

ビル・エヴァンズを聴いているときは、その曲をただ聴くのであって、「この曲の次はあれを聴いて、その次をあれを聴けば、エヴァンズの有名どころは大体聴いたことになるぞ。目標達成だ!」という無粋な気持ちで聴いてしまうと、音楽自体がただの「途中経過」に堕することとなる。

音楽は「途中経過」でも「材料」でもなく、純粋なる「音楽」である。そしてそれは楽しむためにあるのだ。(泣くためでも、感動するためでもいい)。

いや、それ「を」楽しむためにあるのだ。

人生というのは音楽のアナロジーである。人生は何かを成し遂げるための途中経過でも材料でもない。それは楽しむためにある。

人生は、人生を楽しむために存在する。

そしてそれは非常に刹那的な快楽の連なりとして表象されるものである。昼休みに食べるカレーがうまい。帰り路の電車から見える夕日が綺麗だ。喫茶店で飲むいつものコーヒーが相変わらず上手い。自転車で切る風が心地よい。家のオーディオで聴く音楽は選択肢が豊富であり、どれを流しても素晴らしい。夜寝るときの布団が気持ちいい。

それらを楽しんでいる瞬間から、僕たちの細胞は作られ、その細胞群によって形成されているのが僕たちなのである。

食事が身体を作るというが、刹那が魂を作るのである。

記事を書く事自体が僕は楽しい。これからもそうでありたいと思う。